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【感想】世界史の分岐点 激変する新世界秩序の読み方【今がその時かもしれない】

「近いうちに、「世界史の分岐点」が訪れる。」

本書のまえがきはこの一文から始まる。

 

●タイトル:世界史の分岐点 激変する新世界秩序の読み方

●著者:橋爪大三郎佐藤優

 

 

ウクライナ情勢を受けて、勉強不足を痛感した今だからこそ、読んでよかった本だった。

 

「世界史の分岐点」が目の前に出てきたとき、私たちはどの道を選ぶだろうか。

本書によると、よくある将来の予測本が取り扱うのは「目先3~5年程度」の射程範囲らしい。

目先の損得に捕らわれていて、役に立たない、と。

 

著者によれば、本書は過去の推移をたどり、この先50~100年程度先を予測する知恵を持とう、と提案している本とのことらしい。

扱っている領域は、4点。

 

・経済

・科学技術

・軍事

・文明

 

どの分野も近い将来、激動の変化が起こると予想されている。

各分野ごとに章立てされ、「世界各国と日本」、「過去と現在」、著者二名の対談形式で縦横に話が進む。

 

著者橋爪大三郎氏が問題提起し、対して著者佐藤優氏が討論を深めていく。

ボリュームは250ページ程度の一般的な新書サイズだが、範囲がかなり広い。

 

しかし、範囲が広い分、すべての領域について深く掘り下げられているわけではない。

各領域の輪郭を描いたにすぎない、と著者も冒頭で述べている。

 

ちなみに、参考図書が巻末に列記されている。

佐藤優氏の著書によくあるパターンだが、参考図書を読ませに行く(もっと知りたければ参考図書を読みなさいという)構成は、本書も同様。

 

ちなみに、今作での参考図書は24冊記載されており、2020年以降の出版物は7冊。

(読もう)

 

世界史の分岐点で私たちにできること

第四章の最終項は「「空虚」に対して戦う」。

 

本文より引用:

そこで日本を今包んでいるのは、大きな「空虚」だと思うんです。

「空虚」。何も考えてないわけじゃないんです。だけど、浅いんです。

(中略)

「空虚」とは、人生の全体、社会の全体、世界の全体を見ないで、知らないでいまを生きようとすることです。将来、必ず足をとられる。

 

そしてあとがきへと続くが、この最終項とあとがきの内容が、本書が上梓された背景だと思った。

 

あとがきより引用:

日本の危機は国内政治、外交、国防、経済、学術、技術、文化などすべての分野に及んでいる。ロシア革命を起こしたレーニンの言葉を借りれば「全般的危機」ということになろう。危機に陥ってしまった構造的要因を分析し、処方箋について書くことが筆者にとって焦眉の課題である。

 

日本が直面しているあらゆる危機を克服するためには、「教育の質を改善する」ことが必要だと佐藤優氏は述べている。

そのためにも一冊一冊の本を全力で書き上げる、と。

(お待ちしてます)

 

 

本作を、自分事として考えてみる。

私一人ができることは、世界にとっては大した影響はないだろう。

ただの会社員だ。

 

でも、自分の人生を明るく生きるためだけでも、相当な努力が必要だと思う。

家族だって幸せにしたいし、一緒に幸せに暮らしたい。

そのためには私だけではなく、家族にもできる範囲で頑張ってもらいたい。

 

家族・会社・交友関係・居住地域の自治体、私が関わる狭い社会はこの範囲だけど、幸せに暮らすことが叶う社会だ。

 

ただ、どこでそれが崩れるかはわからない。

家族だって、私と夫が関係維持に努めなければ離婚。

会社だって、利益を出すことに努めなければ倒産。

交友関係だって自治体だってそうだ、維持することにも相応の努力がある。

 

それがさらに広い「世界」が対象になると、正直何をしたらいいかなんて、今はわからない。

ただ、「何もしないことは不正解」だということはわかる。

 

 

もしも、「世界史の分岐点」が目の前にやってきたときに、いろんな選択肢があるんだと思う。

そのとき、自分にとって、組織にとって、社会にとって、間違いのない選択をできるようになりたい。

 

そのためには、やはり「世界史の分岐点」を観測できる目が必要だと思う。

そもそもキャッチできなければ、選択肢を考えることもないから。

 

それを踏まえると、私がいまできることのひとつは、「世界史の分岐点」を観測できる目を持つことではないかと考えた。

 

そのためにしなければならないことは、やはり、知識で備えることだろう。

(いつものオチ)

 

 

 

ここから下は、本とは無関係の独り言。

 

私は佐藤優氏の書籍はたまに読む。

彼の読書術やインテリジェンス関連の本は好きだ。

古典、キリスト教、ロシア等分野に偏りはあるものの、自分に無い視点を与えてくれると思っている。

 

一方で、新書で複数出版されている対談形式の書籍はあまり読んだことが無い。

彼の書籍の中で、対談本は初めて手に取った本かもしれない。

文字に書き起こされてない内容もきっとあるんだろうけど、生で聞いてみたかった。

 

初めて読んだ感想としては、もし大学生に戻れるなら、一度ぐらい彼の講義を受けてみたかった。

これに尽きる。

 

以上、おしまい。

 

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